ロー入試体験記②(教材使用方法)

どうも、私立ロー入試がひと段落してモチベが低下しているろいずです。

今回は前回の続きということで、各教材の具体的な使用方法についてお教えしたいと思います。

 

憲法

①芦部憲法

分かりにくいところを辞書的に確認する程度

②合格思考憲法

各人権ごとの定義や論証を把握、ストックする。

後半の設問については答案構成して、参考答案と見比べた後に、参考答案を分析。前半の定義や論証の部分は何度も復習した。

③重問

これが演習のメイン。最新版のものではなく2、3年前のものをメルカリで購入し使っていた。

人権分野をひたすら何周もまわした。なおその際には答案構成などしっかりやる必要はなく、頭の中で答案構成をしてとにかく何度も同じ問題に触れることが重要。ここで参考答案を分析して規範にはピンクのマーカー、あてはめの考慮要素には黄色のマーカーでハイライトをすることで一目で答案の構造が分かるようにする。

憲法ガール

内容は司法試験向きであり、参考答案のレベルも非常に高いため、これをそのまま真似るというよりは、答案の型と考慮要素とその評価の仕方を盗むという形で使用した。

⑤百選

判旨と解説部分の重要箇所にマーカーをしながら読み込む。

⑥まとめノート

これは個人的には非常に有用であると思うので是非真似して欲しいと思う。作り方としては、判例百選のうち重要判例をピックアップして判例の規範等を事件ごとにまとめる。そしてもう一つが特に重要なのだが、各人権ごとの処理手順をまとめておくことである。

(e.g.13条 ①人格的利益説で保障されるか。②保障される場合は制約を認定。保障されない場合は、比例原則及び平等原則の趣旨がなお妥当するとして検討。③事案に即して審査基準定立。④あてはめ⑤結論)

これを作っておくと試験直前に見直すことで短時間で全体像を概観できるためおすすめ。

 

民法

①赤本

1番初めにやった演習書。大体の答案の型を掴むには有用であると思う。ただこれはあくまで補助的に活用するのが良いと個人的には思う。

②ロープラ

改正法に対応している学者が書いてる演習書。内容は典型論点から比較的マイナーな論点まで含んでいる。網羅性はかなり高いが、参考答案がなく、解説が解説になっていない設問も多いためそこはマイナスポイント。

ただ、9月から3月くらいまでで恐らく7周くらいはしている。その際には、1周目は答案構成等はせずに設問を読んで解説を見て、重要な箇所にマーカーをして、設問ごとのまとめを付箋に書いて余白部分に貼り付ける。2周目以降は答案構成をし、解説を読んで自分の構成と比較するといった形で行っていた。

ちなみにベクサの方では有料ではありますが、答案例付きの講座があるので、そちらを利用すればこれだけで十分だと思います。


③重問

ロープラを何周もしたおかげか、1周目から割とサクサクと答案構成をして、答案例と比較するやり方でどんどん進めることができた。そしてそのやり方で5周ほどした後はわざわざ書かずに頭の中で答案構成をし、答案例を見て確認するというやり方で毎日10問ずつ進めていた。

ちなみに家族法は早稲田まではやらなかったため、家族法以外の問題は確か65問程あるので1週間で一周できることになる。

民法の重問だけは最新版の物を購入した方が個人的には良いと思う。確か20000円くらいで買えた。講義動画は別に見なくてもいいし、時間の無駄だと思う。

④論証集

1周目は重要な箇所にマーカーして、読み込む。

2周目以降はひたすら回していく。これもおそらく50周以上やっていると思うが、慣れてくると1時間ほどで1周できる。論証集は他の科目にも共通しているが、演習書やるのが疲れた時や夜寝る前に覚えるのがおすすめ。

 

•刑法

①刑法事例演習教材

これは司法試験のネタ本とも言われており、司法試験対策用かとも思われるが、個人的にはロー入試レベルでもやっておくと他の受験生より優位に立てると思う。

なぜなら、この演習書は偉大なる井田良教授(現中央ロー教授)が作成に携わっていることからか、過去の中央ロー入試でこの本での設問とほぼ同様の事例問題が何回か出題されており、この演習書をやっておけば問題文を読んだだけでニヤついてしまうと思う。なお中央に限らず、今年の明治、慶應でも同様の事例問題が出てかなりの完成度で答案を書くことができた。

具体的な使用方法としては、1周目から答案を書いてみてネットに落ちてる参考答案と見比べて、修正する。慣れてきたら答案構成だけして、参考答案と見比べるだけでよい。

なお、刑法は科目の性質上答案の型が決まっており、逆にこれと異なる形で書いてしまうと刑法の基礎的理解が疑われるため気をつけてほしい。具体的には、構成要件該当性→違法性→有責性の順番で書かなければならない。

②論証集

民法と同様なので割愛。

 

•民訴

①リークエ

既判力や弁論主義といった超重要論点はしっかりと読み込み、それ以外は辞書的に用いた。

②ロープラ

これがメインの演習書。民訴は民法とは違って解説が秀逸で解答の道筋を示してくれてるため、これだけで十分だと思う。使い方としては、1周目は問題文読んで解説を見て重要な箇所にマーカー。2周目はフルで答案を書いてみてネットに落ちてる参考答案と見比べて修正する。そして一応の完全答案を作成したものをファイルにまとめておいて、以降は答案構成のみをして、作成しておいた一応の完全答案と見比べるといった感じである。

なお、民訴は科目の性質上定義や趣旨、根拠が重要であるため、論点に踏み込む前に逐一これらを示すことが重要であり、点数も振られていると思われるため留意しておくと良いと思う。

ロースクール演習民事訴訟

内容としては典型論点を多く取り扱ってはいるものの、やや複雑な問題が多い印象があること、網羅性がロープラと比べると劣ることから、個人的にはロープラに飽きた時にやればいいかな程度で使用した。使用方法は答案構成をして、解説箇所を読み込むのみ。

④論証集

同上。

 

•刑訴

①呉基礎本

重要な箇所にアンダーラインやマーカーを引きながら読み込んだ。3周くらいしてそれ以降は辞書的に使用。

②古江本

1周目はマーカーを引きながら読み込む。2周目以降は答案構成をして、ネットの参考答案と比較して修正する。慣れてきたら頭の中で答案構成する感じで書かずに20周ほどまわした。

解説がかなり高度なため理解することは困難なので、ロー入試段階では、そこは諦めて答案作成上重要な箇所のみを読み込む感じで用いると良いと思う。

ロースクール演習刑事訴訟法

これが一応メインの演習書。亀井教授の解説が端的で尚且つ判例の立場から一応の解答筋を

設問ごとに示してくれているため、非常におすすめ。しかも、伝聞をかなり多く取り上げているため重要論点を網羅するには持ってこいの演習書だと思う。

なお、網羅性で考えると古江本の方が優れているため、この本に載っていない論点等はそちらで解いてみると良いと思う。

使用方法は、1周目はマーカーして読み込む。2周目以降は一応の完全答案を作成して、ファイルにまとめておき、答案構成をしながらその答案と見比べる。慣れてきたら頭の中のみで答案構成する。

おそらく20〜30周はまわした。

④論証集

同上。

 

・商法

①リークエ

ほぼ使ってない。

②重問

最新版のものでなくてよい。というのも、改正部分はロー入試段階ではまず出題されないからである。

1周目は問題文読んで、答案例に規範とあてはめ部分に色分けしてマーカーする。

2周目以降は頭の中で答案構成して、答案例と比較することを繰り返す。毎日10問やって、手形小切手を除けば大体52問くらいなので5日で1周まわせる。これをひたすら繰り返すのみ。

なお、商法は手を動かすことなく最後まで勉強した唯一の科目である。基本書は読む必要はなく、民法をある程度学習していれば、ひたすら典型論点の処理手順を繰り返して覚えていればロー入試段階では足りると思う。50周以上はまわした。

実際にこの勉強法で手を動かしたのは過去問を解いた時と入試本番のみであったが、何の迷いもなく答案を書けるため、このやり方で足りると思う。

③論証集

同上。

 

かなり長くなって申し訳ないのですが、以上が私が実際にやっていた勉強方法になります。

このやり方で良かった点は、典型論点は瞬時に答案構成が出来るためかなりのスピードで答案作成することができるという点です。

実際に私大の入試では各科目平均30〜40分は余裕を持って答案を完成させることができました。そしてその余った時間で見直しをしっかりすることができるので、設問一個丸ごと書き換えたりすることも可能なので、問題文を読み間違えてやらかした時などにも対応できます。